| すみません。No.16838 で僕が挙げた例は間違いでした。 θの値が大きくなるほど,曲線 z=f(x,(tanθ)x) が急な勾配で原点に落ち込んでいくような関数を構成したつもりでしたが,全く逆の関数を作ってしまいました。
原点を通るどんな直線に沿って原点を目指しても 0 に収束するが,任意の近づき方では収束しない関数の例は, です。
> は分かるのですが、どうして極限値が存在しないのでしょうか?私は、ε―δ論法が分からないのでそのあとの説明がいまいち分かりません。ε-δ論法を使わずに説明できないのでしょうか?
それは無理です。 の正式な定義はεδ論法によるものです。 そしてこの問題はかなりデリケートなので,εδ論法によらないと説明できません。 実際,直感的に捉えようとすると,No.16822 の miyup さんのような誤解をしてしまう危険があるわけですし。
一応,εδ論法で説明しておきます。 どのように正の数δをとっても,|(x,y)|≦δ をみたし,かつ |f(x,y)|≧1 となるような点 (x,y) が取れることを示すことが目標です。 x=δcosθ,y=δsinθ という形でこのような点を探します。 f(δcosθ,δsinθ)=δ/(2π-θ) ですから,δ/(2π-θ)≧1,すなわちθ≧2π-δ をみたすようなθを選べばよいことがわかります。もちろん,0≦θ<2π もみたさなければなりませんが,このようなθはδがどんな値であっても必ず存在します。 以上で が 0 に収束しないことがわかりました。 なお,これと全く同様の議論によって,任意の正の数 λ に対しても,任意の正の数δに対し,|(x,y)|≦δ をみたし,かつ |f(x,y)|≧λ となるような点 (x,y) を取ることが示せますので, の極限値が存在しないこともわかります。
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