| ■No14965に返信(Helpさんの記事) > 行列の問題です。 > をみたす行列を求めよという問題です。
> > これより、としたのですが、解答にはもうひとつ > > という答えもあるようです。
数の掛け算ならxy=0とx=0またはy=0は同じ意味になりますが、行列の掛け算ではそうではありません。 Oじゃないのに何かと掛け算をするとOになるような行列を零因子といいます(ゼロの約数という意味です)。
ケイリーさんとハミルトンさんが見つけた公式であるケイリー・ハミルトンの定理の二次正方行列バージョン(高校ではこのバージョンしか教えてくれません)は、零因子を避けて計算するのに役に立ちます。ケイリー・ハミルトンの定理の二次正方行列バージョンは二次の正方行列に対してが成り立つというものでした。これをと書き直すと、行列の掛け算をしていて零因子があるかもしれないを消すことができます。
翻って問題を眺めると、とするとケイリー・ハミルトンの定理からなので、これをに代入しますと、 という式が得られるのですが、これはとなる定数が取れるか取れないかでこのあとにできる変形が変わってくるのです。
となる場合には、なので、とかとかどれでもいいですが、代入してみるとというのが出て来るのですが、これは行列じゃなくて数の式なので零因子はなくてk=1です。つまりとなるわけで、これはもう見つけていましたね。それで、とできない場合はまだ調べてないので、調べないといけませんね。
そういうわけで、とできない場合を考えます。このときは、になるには でないといけません。手がかりはこれだけしかないのですが、未知数は4つで式なのに2つしかないので、これは文字を2つ減らすことしかできません。それでもこの条件しか課せられてないことがわかったわけですから、それでいいのです。そういうわけで、4つの文字を2つの文字で表せばいいので、(答えとあわせるために文字を書き換えて), とおくと、で、に代入してになり、に代入すると、だから、です。結局、に入れると になりました。これが欲しかった答えなのでめでたしめでたしです。もちろん、とかとかは天から降ってきたものにみえるので、素直にとと解いて と書いちゃって問題ないと思います。こたえまできてみると、とおいたほうが見やすかったので遡って置き換えしちゃいました、ということです。
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