| 図の正三角形が、正三角形の状態以外でBC=ACになることがあるか、 という質問なら、なることはありません。 なぜなら、回転軸に対して角度が大きい直線ほど 回転したときの縮小率が大きくなるからです。 よって正三角形以外の状態では常にAC<AB<BCとなります。
計算式で考えると、次のようになります。 Cを通りDEと平行な直線とA,BからDEにそれぞれ下した垂線の交点をP,Qとすると AC=√(AP^2+CP^2)、BC=√(BQ^2+CQ^2)ですね。 このうち、CP,CQつまり水平成分は回転によって変わらず、 AP,BQつまり垂直成分が|cosθ|を掛けた長さになります。 すなわち ACを回転すると√{(APcosθ)^2+CP^2} BCを回転すると√{(BQcosθ)^2+CQ^2} となるわけですね。 AC=BCなのでAP^2+CP^2=BQ^2+CQ^2ですが AP>BQ,|cosθ|<1のとき {(BQcosθ)^2+CQ^2}-{(APcosθ)^2+CP^2} =(BQ^2-AP^2)(cosθ)^2+(CQ^2-CP^2) =(BQ^2-AP^2)(cosθ)^2+(AP^2-BQ^2) =(AP^2-BQ^2){1-(cosθ)^2}>0 よって (BQcosθ)^2+CQ^2>(APcosθ)^2+CP^2 ∴BC>AC のようになります。
従って、正三角形を回転して二等辺三角形になるためには 2辺の回転軸に対する角度が同じ、つまり1辺が回転軸に垂直または平行 でなければいけないことがわかります。 逆に、1辺が回転軸に垂直または平行の場合に 回転して常に二等辺三角形になることは、 直感的に明らかですね。
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