| p=3 x^3+y^3=z^3 となる自然数x,y,zが存在しない という事を証明するのだから もしそのような自然数 x y z があったと仮定すれば 必ず矛盾が起きるはずなのです
そのためには x,y,z にすべての自然数をいれて計算すればよいのですが ∞に自然数があるためそれは不可能なのです そこで 整数でない実数にはなくて 整数だけが持つ特有の性質を利用するのです その特有の性質とは 剰余(あまり) の性質なのです 実数を実数で割っても余りは出ませんが 整数を整数で割ると余りが出ます 2で割り切れる数を偶数 2で割ると1余る数を奇数 偶数+偶数=偶数 偶数+奇数=奇数 奇数+奇数=偶数 3n+3m=3k 3n+3m+1=3(n+m)+1 3n+1+3m+1=3(n+m)+2 3n+2+3m+2=3(n+m+1)+1 … などの整数の性質を使うのです
x,y,zが自然数の時 x^3+y^3=z^3 が成り立たない事を証明する場合は もしx,y,zが自然数だと仮定すると x,y,zを3で割ると余りは0,1,2の3通りしかありえません (一般の実数の場合は余りが出ないのです) だから x,y,zがそれぞれ3で割った余り0,1,2のどの場合でも x^3+y^3=z^3 が成り立たない事を証明すれば
x=9 y=10 z=12 の場合は x=3n y=3m+1 z=3k
x^3=3(9n^3)=3N y^3=(3m+1)^3=3M+1 z^3=3(9k^3)=3K
3N+3M+1=3K 左辺は3で割ると余りは1 右辺は3で割ると余りは0 だから等号は成立しない というように
有限回数で証明できるのですが
x=3n+1 y=3m+2 z=3k の場合は等号が成立してしまうので証明できません そこで 整数を複素整数に拡大して iは虚数単位,a,bは整数 a+b*i を3iで割った余りについて x^3+y^3=z^3 が成立するか調べるのですが その中で数学的帰納法を使うのです その方法はとても難しいのです
|