| >どのようなΣa_nについても、そのようなΣb_nが存在するだろうか? >ということでした。
はい。どのようなΣa_nに対しても、そのようなΣb_nが必ず存在します。 つまり、収束する任意の正項級数Σa_nに対して、 lim[n→∞]b_n/a_n=∞ を満たすような収束する正項級数Σb_nが存在します。
s_n = a_1 + a_2 + .. + a_n, s = lim[n→∞]s_n とします。 数列 {M_n} を次で定義します。 1/M_1 = s, 1/M_(n+1) = s - s_n. このとき、{M_n}は単調増加であって、lim[n→∞]M_n = ∞ です。 b_n = a_n * (M_n)^(1/2) とすれば、 lim[n→∞]b_n/a_n = ∞ かつ Σb_n は収束 となります。
Σb_n が収束することは次のように示せます。 b_n = a_n * (M_n)^(1/2) = (M_(n+1)-M_n )/(M_(n+1)*(M_n)^(1/2)) と書き表せます。 一般に、正数α(≠1)と正整数 m,n (m < n) に対して、 (1-α^m)/m > (1-α^n)/n が成り立ちます。 α^n=c, m/n=k とおくと、 (1-c^k) > k*(1-c) となります。ここで、 c = M_n/M_(n+1), m = 1, n = 2 とすることによって、 1-(M_n/M_(n+1))^(1/2) > (1/2)*(1-M_n/M_(n+1)), つまり、(M_(n+1)-M_n )/(M_(n+1)*(M_n)^(1/2)) < 2*((1/M_n)^(1/2)-(1/M_(n+1))^(1/2)) となります。 これは、b_n < 2*((1/M_n)^(1/2)-(1/M_(n+1))^(1/2)) を意味します。 したがって、 Σb_n < 2*Σ((1/M_n)^(1/2)-(1/M_(n+1))^(1/2)) = 2*(1/M_1)^(1/2).
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