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■46345 / inTopicNo.1)  複素数
  
□投稿者/ 複素数 一般人(1回)-(2014/07/16(Wed) 20:43:19)
    z が複素数のとき、
    |e^z-1| ≦ max{ |z|, |ze^z| }
    となることの証明を教えて下さい。
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■46350 / inTopicNo.2)  Re[1]: 複素数
□投稿者/ みずき 付き人(54回)-(2014/07/17(Thu) 19:34:09)
    z=0のときは、確かに成立しますので、以下、z≠0とします。
    z=x+iy(x,yは実数)とおくとき、
    |e^z|=|e^x||cosy+isiny|=e^x に注意します。

    |z|≦|ze^z|
    ⇔|z|≦|z||e^z|
    ⇔1≦|e^z| (∵ |z|>0)
    ⇔1≦e^x
    ⇔x≧0
    により、次の2つを示せば十分です。
    x≧0のとき、|e^z-1|≦|ze^z| ・・・A
    x<0のとき、|e^z-1|≦|z| ・・・B

    (Aについて)
    |ze^z|^2-|e^z-1|^2
    =(x^2+y^2)e^(2x)-{(e^xcosy-1)^2+(e^xsiny)^2}
    =(x^2+y^2)e^(2x)-(e^(2x)-2e^xcosy+1)
    =(x^2+y^2-1)e^(2x)+2e^xcosy-1=f(x)
    f'(x)=2e^x{e^x(x+x^2+y^2-1)+cosy}
    g(x)=e^x(x+x^2+y^2-1)+cosyとおくと、
    g'(x)=e^x{y^2+x(x+3)}≧0 (∵ x≧0)
    g(0)=y^2≧0なので、x≧0においてf'(x)≧0
    f(0)=y^2-1+2cosy-1=h(y)とおくと、h'(y)=2y-2siny, h''(y)=2(1-cosy)≧0
    h'(0)=0に注意すると、h(y)≧h(0)=0-1+2-1=0なので、f(0)≧0
    以上により、任意のyに対して、x≧0のとき、f(x)≧0なので、Aが示されました。

    (Bについて)
    |z|^2-|e^z-1|^2
    =x^2+y^2-(e^(2x)-2e^xcosy+1)=i(x)
    i'(x)=2x-2e^(2x)+2cosye^x
    i''(x)=2-4e^(2x)+2cosye^x
    i'''(x)=-8e^(2x)+2cosye^x=2e^x(cosy-4e^x)
    j(x)=cosy-4e^xとおくと、j'(x)=-4e^x<0,
    j(0)=cosy-4<0,lim_(x→-∞)j(x)=cosyなので、cosyの正負で場合分けします。

    (T)cosy≦0のとき
    グラフにより、x<0でi'''(x)<0なので、i''(x)は単調減少。
    i''(0)= 2-4+2cosy=2(cosy-1)<0, lim_(x→-∞) i''(x)=2なので、
    i''(x)=0なるx<0がただ1つ存在します。
    それをx=αとすると、2cosye^α=4e^(2α)-2に注意して、
    i'(α) =2α-2e^(2α)+2cosye^α=2α+2(e^(2α)-1)<0 (∵ α<0)
    よって、x<0でi'(x)<0, i(0)= y^2-1+2cosy-1=h(y)≧0なので、x<0でi(x)≧0

    (U)cosy>0のとき
    j(x)=0なるx<0がただ1つ存在します。それをx=βとすると、
    i''(0)=2-4+2cosy=2(cosy-1)≦0
    i''(β)=2-4e^βe^β+2cosye^β=2+(cosy)^2/4>0
    lim_(x→-∞)i''(x)=2>0

    (U−@)cosy=1のとき
    i''(0)=0なので、i''(x)≧0
    i'(0)=-2+2cosy=0なので、x<0でi'(x)≦0
    i(0)=y^2-1+2cosy-1=y^2≧0により、x<0においてi(x)≧0です。

    (U−A)0<cosy<1のとき
    i''(0)<0なので、i''(x)=0なるx<0がただ1つ存在します。
    それをx=γとすると、2cosye^γ=-2+4e^(2γ)に注意して、
    i'(γ)= 2γ-2e^(2γ)+2cosye^γ=2γ+2{e^(2γ)-1}<0 (∵ γ<0)
    よって、x<0において、i'(x)<0です。
    i(0)= y^2-1+2cosy-1=h(y)≧0なので、x<0において、i(x)≧0

    以上により、任意のyに対して、x<0のとき、i(x)≧0なので、Bが示されました。
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