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■45645 / inTopicNo.1)  固有値が存在しない行列ってどんな行列?
  
□投稿者/ Tamari 一般人(4回)-(2013/12/01(Sun) 04:28:01)
    2013/12/01(Sun) 04:29:02 編集(投稿者)
    2013/12/01(Sun) 04:28:50 編集(投稿者)

    正方行列Aに対して, Ax=λxなる(x,λ)∈C^n\{0}×Cが存在するならば,λをAの固有値といいのですよね。

    "ならば"と明記されてるので,存在しない(つまり,固有値がない)ような行列Aもあるのだと思います。

    それは一体どのような行列なのでしょうか?

    "Ax=λxなる(x,λ)∈C^n\{0}×Cが存在する"というのはdet(A-λE)=0となるλが存在する事に他ならないと推測します。

    Aを正方行列とすれば,
    もし,Aが非正則行列ならλ=0とか採ればdet(A-λE)=0が成立しますのでAは固有値を持ちますね。
    Aが正則行列なら,A-λEを一次従属にできるようなλの存在を言わねばならないのですが,どのようにしてこのようなλを探せばいいのでしょうか?
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■45646 / inTopicNo.2)  Re[1]: 固有値が存在しない行列ってどんな行列?
□投稿者/ WIZ 付き人(85回)-(2013/12/01(Sun) 10:45:47)
    要素が複素数である正方行列Aの次数をnとすると、
    det(A-λE) = 0は複素数を係数とするλに関するn次の代数方程式を解くことに帰着します。

    代数学の基本定理により、複素数を係数とする代数方程式は複素数の中に解を持つので、
    任意の自然数nに対してλは存在するとは言えると思います。
    従って、固有値が存在しないということはないと思います。

    但し、λを求めることができるかというと別問題です。
    n ≦ 4ならば、代数的な一般解法が存在し、n次の代数方程式を解いて理論的にはλを求めることができます。
    n ≧ 5ならば、代数的な一般解法が存在しません。
    しかし、n = 5ならば、楕円関数を用いた5次方程式の解の表示ができますので、
    理論的にはλを求めることができます。

    ここからは、インターネットにもあまり情報がなく、私の記憶だけの情報です。
    n = 6でも一般的な6次方程式だったかか、特定の条件を満たす一部の6次方程式だったかか忘れましたか、
    保型関数を用いた解の表示ができるらしいので、理論的にはλを求めることができます。
    n = 7ではヒルベルトの23の問題にも含まれていますが、「2変数関数で解の表示ができない」
    ことが証明されているらしく、おそらく解法はまだ知られていないということだと思います。
    n ≧ 8ではお手上げなのだと思います。

    ・・・なので、まともにλ = 数式という形に表示できるのは精々n = 5かn = 6までです。
    数学的に存在することが分かっていても、数学的に値が求まらないならば存在しないのと同じという
    立場に立って「存在するならば,λをAの固有値という」としているのかもしれません。
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■45647 / inTopicNo.3)  Re[2]: 固有値が存在しない行列ってどんな行列?
□投稿者/ Tamari 一般人(5回)-(2013/12/01(Sun) 11:31:49)
    即レス有難うございます。

    5次以上の方程式は解の公式が存在しないということは知っておりますので納得です。
    そして,Cは代数的閉体なのでdet(A-λE) = 0の解は必ず存在するのですね,つまり固有値は必ず存在する。


    もし,実行列内のみでの議論だと,det(A-λE) = 0の解がすべて複素数解となる時,固有値は存在しないと言えるのですね。
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■45648 / inTopicNo.4)  Re[1]: 固有値が存在しない行列ってどんな行列?
□投稿者/ WIZ 付き人(86回)-(2013/12/01(Sun) 14:00:24)
    > 5次以上の方程式は解の公式が存在しないということは知っておりますので納得です。

    解の公式が存在しないのではなく、代数的な一般解法が存在しないことが証明されているということです。
    5次の場合は超越的な一般解法が存在しているし、6次の場合もおそらく超越的な一般解法が存在します。
    7次以上はおそらく如何なる解法も未発見(或いは本当に一般解法が存在しない)です。
    # 5次方程式を代数的に解こうとすると、4次と6次の補助方程式を解くことに帰着します。
    # つまり、5次方程式を解くことと6次方程式を解くことは数学的にほぼ同等な問題と言えます。

    > もし,実行列内のみでの議論だと,det(A-λE) = 0の解がすべて複素数解となる時,固有値は存在しないと言えるのですね。

    行列の要素が実数だから、固有値も実数でなければならないということはないと思います。
    行列の要素が複素数であり、それが実数のみか虚数が混ざっているかは関係なく、
    固有値が実数でなければならないという条件があるのなら、固有方程式が実数解を持つことが必要であるとは言えますが。
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■45649 / inTopicNo.5)  一般の高次方程式の解の公式
□投稿者/ とんからり 一般人(1回)-(2013/12/01(Sun) 15:08:07)
    梅村 浩
    楕円関数論
    東京大学出版会

    によると、5次方程式は楕円関数による公式があり、6次以上でも楕円関数を超越積分というものに置き換えれば解の公式が作れるとのことです。

    (携帯)
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■45651 / inTopicNo.6)  Re[2]: 一般の高次方程式の解の公式
□投稿者/ Tamari 一般人(6回)-(2013/12/02(Mon) 07:19:36)
    > ・・・なので、まともにλ = 数式という形に表示できるのは精々n = 5かn = 6までです。
    > 数学的に存在することが分かっていても、数学的に値が求まらないならば存在しないのと同じという
    > 立場に立って「存在するならば,λをAの固有値という」としているのかもしれません。

    > 行列の要素が実数だから、固有値も実数でなければならないということはないと思います。
    > 行列の要素が複素数であり、それが実数のみか虚数が混ざっているかは関係なく、
    > 固有値が実数でなければならないという条件があるのなら、固有方程式が実数解を持つことが必要であるとは言えますが。

    有難うございます。お陰さまで明るくなりました。


    > 梅村 浩
    > 楕円関数論
    > 東京大学出版会
    > によると、5次方程式は楕円関数による公式があり、6次以上でも楕円関数を超> 越積分というものに置き換えれば解の公式が作れるとのことです。
    > (携帯)

    有益なご情報有難うございます。これは解析的解法なのですね。
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■45652 / inTopicNo.7)  Re[3]: 一般の高次方程式の解の公式
□投稿者/ Tamari 一般人(7回)-(2013/12/02(Mon) 08:45:47)
    > 固有値が実数でなければならないという条件があるのなら、固有方程式が実数解を持つことが必要であるとは言えますが。

    もしかしたら, 固有値の範囲を限定して考察するような議論が時折,あるのでしょうね。

    つまり,
    「Fを可換体,F'⊂Fとする時,
    F'上の正方行列Aに対して, Ax=λxなる(x,λ)∈F'^n\{0}×F'が存在するならば,λをAをF'の固有値という」
    という具合に"F'の"と修飾語をつける場合があるように。
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