| \section{フェルマー数}
とおき, 数列を と を考える. ただし から始める.(部分的に 月号の内容とダブル部分がある. )
定義により,
ゆえに
を\textbf{フェルマー数}という.
% 表 \begin{table}[ht] \caption{フェルマーの数}%{}内に表題を書く \begin{center} \begin{tabular}{ccc} & & \\ \hline 0 & 2 & 3 \\ 1 & 4 & 5 \\ 2 & 16 & 17 \\ 3 & 256 & 257 \\ 4 & 65536 & 65537 \\ \end{tabular} \end{center} \end{table}
のときのフェルマー数はみな素数である. 素数のとき \textbf{フェルマー素数}という.
フェルマーは のときも は素数であると思ったが それは正しくなかった.
はオイラーにより素因数分解された:
実は皮肉なことに のとき素数になるフェルマー数(すなわち,フェルマー素数 )は 未だに1つも発見されていない.
\subsection{フェルマー数の積} フェルマー数の積を, すなわち とおく. すると,定義から a_{n+1}=F_0F_1 \cdots F_{n+1}=a_nF_{n+1} なので .
\subsection{補題}
\begin{lemma}
\end{lemma} を帰納法で示す.
なら成立.実際,
\
のとき, の場合を仮定すると, によって
\newpage
\subsection{ の証明}
について のオイラー関数の値を とおけば これらの はフェルマー素数なので により なので となる. このとき
なので
を満たす. よって,
% 表 \begin{table}[ht] \caption{フェルマー数の積}%{}内に表題を書く \begin{center} \begin{tabular}{c|ccc} & & 素因数分解 & \\ \hline 1 & 3 & [3] & 2 \\ 2& 15 & [3,5] & 8 \\ 3& 255 & [3,5,17] & 128 \\ 4& 65535 & [3,5,17,257] & 32768 \\ \end{tabular} \end{center} \end{table}
\subsection{未解決の問題}
\textbf{研究課題}
を満たす は上の表に載っているものだけか ?
\
これは難しい問題であろう. しかし分かることが少しある.少し示そう.
\begin{equation} \label{mikai} a-2\varphi(a)=-1 \end{equation}
を満たすとき, の素因子の指数は1である. 実際, の素因子 の指数 があり とすると も の倍数なので も の倍数になり式 (\ref{mikai}) に矛盾する.
\
さて なので は奇数である.
\
1. は3を素因数に持つと仮定する.
と書くとき, は3で割れないから式 (\ref{mikai})に注意して
ゆえに \begin{equation} 3k_0+1=4\varphi(k_0). \end{equation}
のとき, なので は解.
\
2. が 5 を素因数に持つと仮定する. とおくと
と により
\
のとき, なので は解.
の記法によれば ここで
\
のとき, の最小素因数を とすると と書けて , さらに
によって
これを変形して
3. かつ素数なので とおいてみる.すると , によって,
よって
の記法によれば これより
\
のとき これは により が解になる.
\
4. のとき の最小素因数を とすると と書けて
\begin{equation} 1< - a_2 p k_3+f_3 (p-1)k_3=(- a_2 p +f_3 (p-1) ) k_3=(p-f_3)k_3 \end{equation}
であり 257は素数なので とおく. なので
のとき が解.
\
5. のとき の最小素因数を とすると と書けて
\begin{equation} 1< - a_3 p k_4+f_4 (p-1)k_4=(- a_3 p +f_4 (p-1) ) k_4=(p-f_4)k_4. \end{equation}
により は素数なので とおけば
とおけば が解になる.
は素数では無い. したがってここで終わる.
\
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