| 方針として考えられるのは (i)まずa[n],b[n]についての連立漸化式を立て (ii)それを解く というものです。
まず(i)について。 問題の操作のn回目について Iの操作により Aの水量はa[n-1]-(a[n-1]-b[n-1])/10[l] (A) Bの水量はb[n-1]+(a[n-1]-b[n-1])/10[l] (B) (「多い方から少ない方に」と言う言葉に惑わされますが、(A)(B)において 移し変えられる水量に当たる項の符号に注意してみてください。) 次にIIの操作により Aの水量はa[n-1]-(a[n-1]-b[n-1])/10+1[l] (C) Cの水量は0[l] 更にIIIの操作により Bの水量はb[n-1]+(a[n-1]-b[n-1])/10-1[l] (D) Cの水量は1[l] ということで(C)(D)から a[n]=a[n-1]-(a[n-1]-b[n-1])/10+1 b[n]=b[n-1]+(a[n-1]-b[n-1])/10-1 整理して a[n]=(9/10)a[n-1]+(1/10)b[n-1]+1 (E) b[n]=(1/10)a[n-1]+(9/10)b[n-1]-1 (F) となりa[n],b[n]についての連立漸化式ができました。
さて(ii)について。 (E)(F)のような連立漸化式を一般に解く場合は行列の形に持っていく必要があり かなり煩雑です。 しかし、この問題の場合は都合のよい形をしているのでそれより 簡単な方針で計算できます。 まず(E)+(F)より a[n]+b[n]=a[n-1]+a[n-1] ∴これをa[n]+b[n]についての漸化式と見て解くと a[n]+b[n]=a[1]+b[1] (G) 次に(E)-(F)より a[n]-b[n]=(4/5)(a[n]-b[n])+2 ∴これをa[n]-b[n]についての漸化式と見て解くと a[n]-b[n]=(a[1]-b[1]-10)(4/5)^(n-1)+10 (H) 後は(G)(H)をa[n],b[n]についての方程式と見て解きます。 (a[1],b[1]の値は自分で計算してみて下さい。)
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