| 複素数の絶対値を考えるとき,主に2通りの解釈法がありますが,両方とも紹介致します.
i) 複素数平面を考える a+bi (a,b:実数)は,複素数平面上で座標(a,b)という点を表します. で,複素数の絶対値は,ベクトルの絶対値と同じく"距離"を表します.もちろん,このように座標(ベクトルで言うと成分)で書かれている場合は,原点からの距離にあたります.
では,原点と(a,b)の距離はいくらでしょうか? 当然,√(a^2+b^2)ですよね. 同じことで,複素数平面上のa+biと原点Oの距離=√(a^2+b^2)で,すなわち|a+bi|=√(a^2+b^2)です.
ii)複素数の絶対値の定義から攻める ベクトルa~に対して,|a~|^2=a~・a~である.つまり,『(ベクトルの)絶対値の2乗=同じベクトル同士の内積』 必ずベクトルを習ったとき,これは覚えましたよね.
それと同じ様に,複素数の絶対値の2乗を別の計算法で書き表す方法があります. 『|z|^2=z*(zバー)』(zバーはzの共役複素数)です. 言葉で言うと,『絶対値の2乗=共役複素数との積』です.
z=a+biのとき,zバー=a-biなので,|z|^2=(a+bi)*(a-bi)=a^2+b^2です.従って,|z|=√(a^2+b^2)です.
いかがでしょうか?
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