| これは,京都大学などでよく出題される類のベクトルの一般問題ですね. このような問題では,しっかり状況を設定することが大事になります. 5点をA,B,C,D,Eとし,ベクトルの始点を適当にOとします. このとき,OA~=a~(~はベクトルの矢印→の意味),以下b~,c~,d~,e~とします.
三角形を作る頂点をA,B,Cとしましょう.このとき,△ABCの重心Gに対してOG~=(a~+b~+c~)/3, 残りはD,Eで,DEの中点Mに対してOM~=(d~+e~)/2となります.
ここで,直線GM上の点Pのベクトルは,実数tを用いてOP~=t*OG~+(1-t)OM~ =(t/3)*(a~+b~+c~)+{(1-t)/2}*(d~+e~)…@と書けます. さて,次がポイントですが,この問題で示したいことは, 『3点の選び方によらず,直線GMが定点を通る』,つまり 『三角形を作る点がA,B,Cでなくても,同様にOP~を計算し,うまく実数tを定めると,OP~はある決まったベクトルを表すことができる』 ということになります.
この定点については,感覚的ですが,この時点でピンと来てもらえると幸いですが,明らかにOP~=k*(a~+b~+c~+d~+e~)の形をしています. つまり,@において,t/3=(1-t)/2ならばよい.⇒t=3/5で,OP~=(a~+b~+c~+d~+e~)/5.
さて,OP~=(a~+b~+c~+d~+e~)/5 が,3点の選び方によらないことの証明ですが, 選んだ3点をp~,q~,r~(これはa~〜e~で適当に3つ選んだ)とし,残りの2点をs~,t~とすると, OP~=(p~+q~+r~)/5 +(s~+t~)/5 =(3/5)*(p~+q~+r~)/3 +(2/5)*(s~+t~)/2 =(3/5)OG~+(2/5)OM~となるため, 三角形の選び方によらずGMを2:3に内分する点がOP~=(a~+b~+c~+d~+e~)/5になる.
という具合です.最後に,任意で3点選ぶというところが難しいですね.
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