| 図を描いて考えましょう。 内接円は正六角形の各辺の中点と接します。したがって点Qは内接円の周上にあります。よって k=1 があることがすぐにわかります。 そして線分AQと内接円の周との交点はQ以外にもうひとつあることも図からわかります。その点を R とおくと,AR と AQ の向きは同じなので,もうひとつの k の値は正の数であるはずですね。 ベクトルのままだとやりにくそうなので,座標を設定して考えてみることにしましょう。 例えば OA を x 軸として考えます。つまり,O が原点で,A が (1,0) という点に対応すると考えます。OQ は OA に垂直なので,こちらを y 軸にとります。 まずは内接円の半径を求めましょう。三角形OBC は一辺の長さが 1 の正三角形で,OQ は BC の垂直二等分線で,内接円の半径でもありますから,角 OBQ=60度であることから OQ=√3 /2 であることがわかります。 よって内接円の方程式は x^2+y^2=3/4 となります。 Q の座標は OQ=√3 /2 で,Q は y 軸上にありますから,(0,√3 /2) です。 直線 AQ は A(1,0) と Q(0,√3 /2) を通りますから,この直線を表す方程式は y=-√3 x/2 +√3 /2 となります。 この直線と円 x^2+y^2=3/4 との交点を求めます。それには y=-√3 x/2 +√3 /2 を円の方程式に代入して x の 2 次方程式を導き,それを解けば x=6/7 となり,これを直線の方程式に代入すれば y 座標も √3/14 と求まります。(x=0 という解も出てきますが,これは Q の x 座標に相当します。) あとは, ベクトル AQ=(-1,√3 /2),ベクトル AR=(-1/7,√3/14)=AQ/7 より,もうひとつの k の値が求まります。
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