| ベクトルの単元ですから,ベクトルで記述しなければならないのは確かなのですが, しかし相手は平面幾何の操作なのですから,まずは絵を描くことで何を知らなければ ならないのか整理することを考えてみるのがいいでしょう。 平面幾何なのですから,もちろん座標平面だと思って考えることもできます。 あとはそうやって考えたことをベクトルの言葉に翻訳する翻訳力を身につけるわけです。
問題はABの中点はどこなのか,どういう傾きが与えられているのか,通る一点と傾き がわかっている直線はどうやって表すことができるのか,といった基本的なことを 順番に考えていくと,そう複雑なことを訊かれているわけではないことに気付くことが できると思います。困難は分割せよ,ということですね。 例えばABの中点をとおくとですし, BからCへ行くならという引き算が対応していますし, BCとDP(Pは直線上の動点)が平行なら(は定数) が成り立たないといけませんし,垂直なら内積が0ということになります。
数学ではいろんなものが思いも依らないところで結びついていることが魅力の一つ ですが,同じものをたくさんの別の見方で知ることができるというのもその一つです。 違う見方をしたときに,それぞれの見方で対応する性質の記述の仕方がどう 変わるのかといったことに気をつけると,他の単元で習ったことが使えるようになり, それだけでものすごく強力な武器を手に入れたのと同じ効果を得ることができるでしょう。
|