| では,必要・十分の説明は後回しにして,まず2次不等式の解き方について説明いたします.
(x-5)(x-3)≧0について,まずは式と数直線を用いて考えてみましょう. まず,(x-5)(x-3)=0の解はx=3,5なので,数直線上にその点を打てば, x<3,x=3,3<x<5,x=5,5<xの5つの部分に分かれます.この5つのパートについて,それぞれ不等式が成り立っているのかどうか調べましょう. (実際に,数直線を書きながら読んでください)
・x<3(例えば,x=1などをイメージしてください) ⇒ このとき,x-3:負,x-5:負であることがわかるので,(x-3)(x-5):正となり,不等式を満たします.
・x=3 ⇒ x-3=0なので,(x-3)(x-5)=0で不等式を満たす ・3<x<5(x=4をイメージ) ⇒ x-3:正,x-5:負なので,(x-3)(x-5):負となり,不等式を満たしません. ・x=5 ⇒ x-5=0なので,(x-3)(x-5)=0で不等式を満たす. ・5<x(x=6をイメージ) ⇒ x-3:正,x-5:正なので,(x-3)(x-5):正となり不等式を満たします.
さて,この5つの範囲で不等式を満たしているのは,x<3,x=3,x=5,5<xで,これをまとめるとx≦3,5≦xです.
といったように,不等式の区間を『方程式の解』で何個かに切り分けて考える方法が,不等式の解き方の基本です. しかしながら,一瞬で答えを導く方法があります.2次関数のグラフを用いる方法です.
考えている不等式が(x-5)(x-3)≧0なので,y=(x-5)(x-3)のグラフを書きます. このとき,y=(x-5)(x-3)とx軸の交点が分かるようなグラフを書いてください.頂点などは書く必要はありません.
当然,y=(x-5)(x-3)のグラフは下に凸です.ここで,(x-5)(x-3)≧0なので,このグラフのy≧0の部分を考えます. y=(x-5)(x-3)のグラフのy≧0となっている部分を塗って下さい. その塗った部分のx座標はどの範囲にありますか?x≦3,5≦xになっていませんか?それが,答えです.
というように,2次不等式の問題をすばやく確実に解くためには,『x軸との交点がわかるグラフ』を書いて, 『>0,≧0ならx軸より上側,<0,≦0ならx軸より下側を塗る』をして,『塗った部分のxの範囲を読む』の順で解きます.
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