| 『区別がある』⇔『名前(番号)がある』と思ってください.
これは,問題には入っていませんが,付け加えて解説いたします. 『区別のある赤玉10個を,区別のある箱4つに入れる方法』 名前があるので,玉をa,b,c,…,jとして,箱をA,B,C,Dとします. ここで,aはA〜Dの4つの箱に入れられるので4通り. …としていけば,4^10通りとなります.
玉にも箱にも区別があるときには,『どの玉がどの箱に入るか』というところまでしっかり数えます.
(2)では,A,B,C,Dの箱に10個の区別のない玉を入れる入れ方となります. これが何通りかは,10個の玉と(4-1)個の仕切りを並べる方法(空箱を作ってもよいから)で計算されます. よって,13C3=286通り. (もし,仕切りの方法を知らなければ,ここは無視してください.)
この場合,『どの箱に,それぞれ何個玉が入っているか』に注目しています. つまり,玉に区別をなくしてしまうことで『どの玉…』というところはどうでもよくなり, 玉は個数だけを考えています.
もちろん,このとき(A,B,C,D)=(6,4,0,0)と(4,6,0,0)は別物として数えています. 最初の例では,A={a,b,c,d},B={e,f,g,h,i,j}と,A={a,b,c,j},B={d,e,f,g,h,i}まで,別物にして扱っています.
(1)では,先ほど挙げたような(6,4,0,0)(4,6,0,0)は別物とせず, 『6個入っている箱が1つと,4個入っている箱が1つと,何も入っていない箱が2つ』といった数え方になります.
つまり,箱にも区別をなくしてしまうと,『何個玉の入った箱が何個ある』というように, 玉も箱も個数だけ注目したような数え方になってしまいます.
では,(1)の数え方ですが,『辞書式』といって,大きい数字を前から,その数がが大きいものから順に並べていきます.
(10,0,0,0),(9,1,0,0),(8,2,0,0),(8,1,1,0),(7,3,0,0),(7,2,1,0),(7,1,1,1),(6,4,0,0),(6,3,1,0),(6,2,2,0),(6,2,1,1), (5,5,0,0),(5,4,1,0),(5,3,2,0),(5,3,1,1),(5,2,2,1),(4,4,2,0),(4,4,1,1),(4,3,3,0),(4,3,2,1),(4,2,2,2),(3,3,3,1),(3,3,2,2) で全部になり,計23通りです. ちなみに,玉にも箱にも区別がないときの数え方は,これしかありません.
(2) (1)を用いた方法で解いていきます. まずは,(1)の17通りの場合について,ある性質ごとに4グループに分けます. グループ1:(10,0,0,0),(7,1,1,1),(4,2,2,2),(3,3,3,1) グループ2:(5,5,0,0),(4,4,1,1),(3,3,2,2) グループ3:(9,1,0,0),(8,2,0,0),(8,1,1,0),(7,3,0,0),(6,4,0,0),(6,2,2,0)(6,2,1,1),(5,3,1,1),(5,2,2,1),(4,4,2,0),(4,3,3,0) グループ4:(7,2,1,0),(6,3,1,0),(5,4,1,0),(5,3,2,0),(4,3,2,1) です.
さて,ここから箱に区別(名前)を付けていきます. グループ1: (a,b,b,b)のパターン⇒ b個入っている3つの箱をA,B,C,Dの中から3つ選ぶ方法で4C3=4通り. グループ2: (a,a,b,b)のパターン⇒ A,B,C,Dの中からa個のの箱を選ぶ方法は4C2=6通りで,b個入っている箱の選び方は1通り. よって,6*1=6通り. グループ3: (a,b,c,c)のパターン⇒ A,B,C,Dの中からc個の箱を選ぶ方法は4C2=6通りで,残り2箱からa,b個の箱を選ぶ方法は2通り. よって,6C2*2=12通り. グループ4: (a,b,c,d)のパターン⇒ A,B,C,Dをa,b,c,d個のどれにあてがうか選ぶ方法は4!=24通り.
それぞれのグループに属しているものが何通りずつあるか考慮して 4*4 +6*3 +12*11 +24*5 =286通り.
これを,一発で数えられたら,かなりえらいです.
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