| いわゆる関数方程式の問題ですが,この問題の積分区間はt:0→π と定数区間です. このときの解き方は『積分で表された定数を文字で置く』です.これしかないっす.
∫[t:0→π] f(t)cos(x-t) dt =∫[t:0→π] f(t)cos(t)*cos(x) dt + ∫[t:0→π] f(t)sin(t)*sin(x) dt と加法定理によって,分解できます.ここで,sin(x),cos(x)はこの積分とは関係ない関数(dtがあるから,tで積分している!!)なので,積分の外に出せ =cos(x)*∫[t:0→π] f(t)cos(t) dt + sin(x)*∫[t:0→π] f(t)sin(t) dt
となります.ここで,∫[t:0→π] f(t)cos(t) dt,∫[t:0→π] f(t)sin(t) dt は,tで積分した後,定数t=π,0を代入するので定数になります. これが,『積分で表された定数』です. よって,c=∫[t:0→π] f(t)cos(t) dt,s=∫[t:0→π] f(t)sin(t) dt …@とでもおきましょう. (c=(1/π)*∫[t:0→π] f(t)cos(t) dt,s=(1/π)*∫[t:0→π] f(t)sin(t) dt でもよいかと思います.)
この後は,以下の手順をたどって解きます. 『@で置いた文字を使ってf(x)を書き直す』 f(x)=(1+s/π)*sin(x) +(c/π)*cos(x)…A
『Aと置きなおしたf(x)を再び@に代入する』 s=∫[t:0→π] (1+s/π)*sin^2(t) +c/π*sin(t)cos(t) dt c=∫[t:0→π] (1+s/π)*sin(t)cos(t)+c/π*cos^2(t) dt
で,これを頑張って計算すると s=(π+s)/2 ⇔ s=π c=c/2 ⇔ c=0 となり,Aよりf(x)=sin(x) と求まります.
|